大都市の繁華街などで、荷台全体に大きな広告を積んだトラックが走っているのをよく見かけます。また、単に広告を積んでいるだけではなく、派手な電飾が施されていたり、スピーカーから音楽やメッセージが流されていたりと、広告に合わせて多種多様な演出がなされていたりします。
アドカーと呼ばれます
このような広告を積んだ自動車を広告宣伝車(通称・アドカー)と呼びます。
但し、広告を積んでいるといっても、単に広告を描いた板などを据え付ける場所まで運搬しているものではなく、広告を搭載したトラックを移動しながら、沿道を行き交う人々や自動車のドライバーなどに、ビジュアルやサウンドを通じて、リアルタイムに何らかのアピールをする目的を持ったものが該当します。
アドカーにはどのようなものがあるのか
アドカーには、冒頭に挙げたような大型トラックの荷台を利用して広告を積むタイプのほか、大型トレーラーをフルに活用した全長12メートルクラスのものを繁華街などでよく見かけます。
一方、アドカーは大型のものばかりではなく、小型トラックや軽トラックを利用したものも存在し、ニーズに合わせて利用されています。宣伝広告の方法としては、荷台スペースに広告を描いた板(アドボード)を取り付けるのがベーシックです。
凝ったものでは、柔軟性のある樹脂シートの表面に広告を描き、それを荷台スペースに立方体状に組み立て、さらに内側から照明器具で照らしつつ、スピーカーシステムも組み合わせることで、動く電飾音響看板に仕立てるものもよく利用されています。
広告宣伝の中身も多種多様
アドカーでよく見かけるのが、アイドルユニットがニューアルバムやニューシングルをリリースする際の宣伝告知です。
CDジャケット顔負けのカッコいいデザインをまとい、音楽を大音量で流しながら走行するというパターンが定番です。また、キャバクラや風俗店などのいわゆるナイトワークを専門とする求人情報サイト、あるいは出会い系サイトの告知といった派手目なものもよく見かけます。
このほか、政党や政治団体による主義主張のアピールを目的としたものなどもあり、実に多種多様な使われ方がなされています。
アドカーは自由に走らせられるのか
アドカーを走らせて広告宣伝を行うためには許可や事前確認などが必要です。
アドカーに限らず広告宣伝は「目立ってナンボ」という考えから、内容が派手なものにどんどんエスカレートしていきがちです。それを抑制するため、例えば、東京では屋外広告にデザイン審査を受け、描かれるデザインや文言などについても、過激すぎないことや不当競争に当たらないことが求められます。
また、他の都道府県に関しても、自治体によって広告設置に関するルールが異なりますので、事前に確認しておく必要があります。そして、実際にアドカーを公道で走らせて宣伝を行う際には、広告宣伝走行を行う予定のエリアを管轄する警察署に相談し、道路使用許可を取っておく必要があります。