2019年7月29日、埼玉県深谷署は9月24日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで、中国籍の男性(32)を、犯人隠避の疑いで、会社員の男性(36)それぞれを逮捕しました。
ことの発端は今年6月21日に起きた轢き逃げ事件。
普通乗用車を運転していた中国籍の男性は信号無視をし、右側から来た女性(58)の軽乗用車と衝突。女性が全治2カ月のけを負ったにも関わらず、そのまま逃走し救護措置を取りませんでした。
その後、事故を起こした男性は仕事で知り合った会社員の知人男性に依頼し、依頼された男性は約1時間半後に事故現場へ。
車の所有者と出頭してきた男性の名前が違っていたため、不審に思った深谷署が捜査をしたところ、“替え玉出頭“をしていたことが発覚し、両者は逮捕されてしまいました。
事故を起こした男性は「事故を起こしたのは間違いない。今回の事故で免許がなくなると思った」と容疑を認めており、替え玉出頭した男性も「身代わりをしたことは間違いない。頼まれて断りづらかった」と容疑を認めているそうです。
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190925-00010003-saitama-l11
このページのラインアップ
当て逃げは立派な犯罪に!
交通事故を起こしてパニックになってその場から離れてしまっても、相手の証言やドライブレコーダー、事故の目撃者や設置されている防犯カメラなどで証拠が残ります。
特に免許の失効を恐れていたり、ながらスマホで事故を起こした、飲酒をしているなどの後ろめたい行為があればあるほど焦ってしまうもの。
勝手にその場を離れたくなる気持ちも分かりますが、事故が起こった場合は怪我人がいないかどうかをしっかりと確認し、必要な場合は救助や手当をします。その後は、どんなに小さな事故でも必ず警察へ電話をし、事故が起こったことを報告しましょう。
今回の事件(事故)では運転していた男性はその場を離れ、代わりに知人男性を現場へ向かわせましたが、「当て逃げ(ひき逃げ)」も「替え玉出頭」も立派な犯罪になります。
事故にまつわる行為 |
相当する容疑 |
交通事故 |
自動車運転処罰法違反(過失致傷、過失致死傷) |
ひき逃げ・当て逃げ |
道路交通法違反 |
替え玉出頭 |
犯人隠避 |
さらに、救助されずに放置された怪我人は時間が立てば立つほど症状が悪化し、最悪の場合は助かった命を落としかねません。
現在の日本の轢き逃げ検挙率はかなり高いので、後ろめたいことがあったりどんな大きな事故を起こしても決して逃げ出さず、必ず怪我人の救護処置と警察への連絡を行いましょう。
替え玉出頭事故の罪の重さは?損害賠償はどうなる?
まず、事故が起きて当て逃げやひき逃げにあった時には、相手に逃げられても必ず警察に報告しましょう。
通常の事故の場合であれば加害者側の自賠責保険から慰謝料や賠償金が支払われますが、
相手が見つからなかった場合でも、任意の「無保険車傷害保険」に加入していれば
補償を受けることもできます。
事故証明を発行してもらい、事情を保険会社に伝えることで保険の適応範囲内かを調べてくれます。「無保険車傷害保険」の自動オプションが付いている場合は多いのですが、特約に入っていない場合は保険適応外になってしまうことも。事故に遭った時は一度確認してみるのがおすすめです。
一方、当て逃げの当事者や替え玉出頭した人は刑事罰の扱いとなり、懲役または罰金が課せられます。
罰則の内容 |
|
当て逃げ・ひき逃げした人 |
3ヶ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金 |
替え玉出頭した人 |
2年以下の懲役もしくは1万円以下の罰金 |
裁判の証言後に嘘が分かった人 |
3か月以上10年以下の懲役 |
まとめ
仲の良い人が当て逃げをしてしまった場合、頼まれて出頭したり自分から提案する替え玉出頭も立派な犯罪です。
一度お互いが冷静になり、すぐに事故現場に戻って必要な対応を取りましょう。