2019年6月4日福岡市早良区百道の交差点付近で(81歳)男性の乗用車が前を走行する車に追突。追突した車はそのまま暴走し対向車線を逆走。加速した車は最大時速は135キロにまで上り、車に次々とぶつかり歩行者をはね交差点に進入。運転手の(81歳)男性と助手席の(76歳)女性が死亡。男女7人・歩行者1人が重軽傷を負った。
ブレーキを一切踏んだ形跡がないこと・車両の不備ではないこと・を確認したうえで、他の車のドライブレコーダーや、防犯カメラなどから情報を集めるも原因不明。加害者は亡くなったまま自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で書類送検された。
出典:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/555160/
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加害者の死亡事故…被害者はどのように行動をとればいいの?
今回の事件だと加害者側が死亡していることから警察や救急車の手配ができる状態ではありませんので被害者側の視点から「どのように行動すればいいか?」をお伝えします。
1.119番通報
大規模な事故なのでけが人を最大に優先し警察ではなく119番通報しましょう。状況を説明すると自動的に警察にも連絡がいくので重複して110番通報しなくても大丈夫です。
2.けが人の介抱
運転者には【けが人の救護義務】がありますので、自分が重症でなければ安全な所に車を止めてけが人の介抱に向かいます。
3.実況見分の協力
警察が到着したら「どこで?」「どのように?」といった事故を細かく捜査する【実況見分】が始まります。この調書をもとに過失割合などが決定するので積極的に参加しましょう。
4.保険会社に連絡
現場検証が始まったら合間を見て、任意保険会社に連絡しましょう。車が動かない場合は同時にロードサービスの手配もしましょう。
加害者が死亡…被害者の賠償金はどうなるの?
では、加害者が死亡した場合の賠償金はどうなるのでしょうか?被害者目線でお話したいと思います。
任意保険会社に請求する
加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社に請求することが可能です。
【対人賠償保険】【対物賠償保険】から支払うことになるでしょう。
また訴訟に発展しても相続人がいない時は任意会社を訴えることができます。
自賠責保険に請求する
車が任意保険に未加入の場合は、事故で怪我された方には【自賠責保険】という車検を通す際に、必ず加入しなければいけない強制保険である程度は補償されます。
ただし、自賠責保険は【対人】用の保険なので車両や物の破損には適応されません。じゃあ、壊れた車の修理は誰にすればいいのか?と考えますよね。
加害者の相続人に請求する
補償される金額より損害を受けた金額が大きい時は、加害者が死亡した場合でも、加害者の法定相続人に請求が可能です。
ただし、請求額が財産を上回る場合は法定相続人を放棄する可能性も。
また保険に加入していない多くの家庭は法定相続人にも支払い能力がないことがあります。
自身が【車両保険】に加入していれば保険がおりることもありますが、保険がおりなければなんと【実費】です。
車は壊れるは修理代もレッカー代も実費となることを考えたら、被害者の心情は怒りしか湧かないでしょう。
まとめ
加害者が亡くなっていても、相手が保険に加入さえしていれば、ある程度の補償は受け取れるかもしれません。
今回のケースの加害者は高齢ですが近所の取材で「免許の返納を考えていた」といった証言もありました。
もし、免許の返納をしていたらこの惨劇も起こらなかったのかも…と考えたら悔やまれます。
そして、ドライバーは常に自分だけではなく相手や相手方の家族の「万が一」に備え保険に加入するなど、準備や対策が重要だということを改めて教えられた事故ではないでしょうか。