2017年9月7日に国土交通省がICTやAIを活用した
エリア観光渋滞対策のため実験・実装する地域
「観光交通イノベーション地域」を選定しました。
実証実験に着手するエリアと今後の取り組み方針や
実験計画等の更なる具体化に向けて検討するエリアを
公募のなかからそれぞれ選定されました。
前者を神奈川県鎌倉市、京都府京都市
後者が長野県北佐久郡軽井沢町、兵庫県神戸市
となりました。
人気観光地での渋滞は移動に時間がかかるし、
ストレスもかなりかかります。
どのようにして解消していくのでしょうか。
◆目的
目的は観光客に人気のある観光地周辺で起きる
広域的な渋滞を解消して、より多くの観光地に
円滑な移動ができるようにすることです。
そのために、ICTとAI等の技術を活用するとともに、
警察や観光部局とも連携しながら渋滞対策の
実験・実装を推進・支援します。
◆実験の内容
<ICT>
ETC2.0や高度化光ビーコン、AIカメラ等で
人や車の動きを収集します。
また、AIの分析・予測結果に基づき
人や車の流れを最適化していきます。
<AI>
過去の渋滞発生履歴をAIに学習・分析させます。
交通変化をAIが判断し渋滞発生を予測します。
<エリアプライシング>
交通渋滞や大気汚染などの交通問題の改善を目的に、
一定の区域内を走行する自動車に課金をするものです。
課金をすることで観光地へ向かう際に公共交通機関等を
利用してもらい、交通量増加を抑制する狙いがあります。
得られたデータをもとに空いている駐車場への誘導や
回る順番の変更が提案できることが期待されます。
◆観光イノベーション地域の選定結果
鎌倉市や京都市のほかに軽井沢町や神戸市が
上がっています。
〇鎌倉市・京都市
観光渋滞対策を行うエリアの絞り込みが行われており、
対策の実装が期待できる。
〇軽井沢町・神戸市
観光渋滞対策を行うエリアの絞り込みを行う必要で、
今後エリアの絞り込みの検討し実験実施環境を整えます。
◆今後のスケジュール
今後のスケジュールは2017年秋以降から順次実験を
行っていきます。実験から得られた結果をもとに実装し、
他の観光地への展開を目指します。
◆まとめ
観光地の渋滞緩和は東京オリンピック・パラリンピックの
開催もあるので早急に取り組むべきでしょう。
しかし、取り組みに対する課題も出てきます。
エリアプライシングは観光地に対して逆風になることが
懸念されます。
課金に対するネガティブイメージによる観光客の減少、
課金分の資金の利用方法、課金の負担者の範囲など問題は
様々です。地元住民から観光客まで理解の得られる説明が
必要となってきます。