返納後の無免許運転!人身事故の場合は罪が重いってホント?!

2019年6月14日、群馬県の市道で80代の男性が運転する軽トラックが、高校1年の男子生徒の自転車に衝突し、左ひじを打撲する軽傷を負わせてしまいました。

 

事故現場に駆けつけた警察が運転免許証の提示を求めると、「体力の衰え」を理由に同年4月に免許証を自主返納していたことが発覚。

 

80代男性は”自動車運転処罰法違反(無免許過失致傷)の疑い”で現行犯逮捕されました。

 

普段は親族が送迎をしていたそうですが、事故当日は親族が不在だったため自ら運転していた時に起きた事故でした。

出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00010000-jomo-l10

 

無免許運転による事故の対処法は?

1.相手の怪我の状態を確認
免許の所持に関係なく、交通事故を起こした場合はすぐに怪我人の容体と救助、場合によっては救急車の手配は必須。
ちなみに、無免許運転で救護をしなかった場合は「道路交通法違反(救護義務違反)」も加重され、罪が重くなってしまうため、必ず相手の安否確認と必要な救援救助をしましょう。

 

2.警察と親族に連絡
男子高校生への事故対応を行うために、まずは警察に連絡、同時に車の所有者である親族に連絡をして事故処理の引継ぎを行います。

 


3.「無免許過失致傷罪」が適応

 

80代男性が免許証を返納したにもかかわらず運転をしたこと
事故を起こし相手の男子生徒に怪我を負わせてしまったこと

 

などの疑いで「無免許過失致傷」が適応され、80代男性は現行犯逮捕されました。

 

免許証の更新忘れによる「うっかり失効」などのケースと違い、今回のケースは運転手の過失が問われます。

 

一方で、不在時に運転をされた親族側は車の提供者としての監督責任に対する刑事処分はされず、提供者も罪に問われてしまう「無免許運転幇助行為」には該当しなかったようです。

 

4.被害者は親族に損害賠償を請求
怪我をした男子高校生は、80代男性の親族に対して損害賠償を請求できます。

 

仮に親族が任意保険に加入していた場合では、無免許運転による人身事故でも示談交渉や損害賠償金を負担してもらうことができる可能性があります。

 

無免許運転事故の場合の賠償金はどれくらい?

今回は被害者が軽傷だったので、診察代や治療費、自転車の修理代金など、契約内容の上限額の範囲内であれば保険適応が可能です。

 

しかし、保険対象外の場合や任意保険に加入していない場合は、80代男性親族が賠償金を自己負担することにもなりかねません。

 

もしも自己負担での支払いが滞ったり治療に必要な賠償金が貰えなかった場合でも、男子高校生側が火災保険に加入していればそちらの保険でも対応してもらえるので、加入している保険特約の適応範囲を確認し交渉を進めます。

 

さらに、今回のケースは「過失運転致死傷罪」に当てはまったので、80代男性は無免許運転の罰金を支払う義務も課せられ、「7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」に処せられます。

 

ここで運命の分かれ道となったのは、80代男性の返納理由が「体力の衰え」だったこと。

 

仮に返納した理由が「判断能力の低下」や「身体機能の低下」だった場合、”技能不足での運転”と判断され「危険運転致死傷罪」という、さらに重い罪に問われていた可能性があります。

 

「危険運転致死傷罪」は、「危険運転致傷罪」の場合1か月以上15年以下の懲役、「危険運転致死罪」の場合であれば1年以上20年以下の懲役とかなり重罪。

 

無免許運転による事故の法制度は2014年に改正された新しい法律なので、判断基準がケースごとに変わってくることもあるので、同じようなケースに該当しても違った結果になる場合が考えられます。

 

「ちょっとそこまで…」の無免許運転が事故の元
無免許での運転は立派な犯罪行為。

 

特に、免許を自ら返納した場合は本人や監督責任が問われる親族も、無免許運転の罪の重さを再確認し、送迎の手助けや公共機関を利用して事故の防止をすることが大切です。

 

有効期限内の運転免許証を返納した場合のみ、住んでいる地域によってはバスやタクシーの料金割引
スーパーや百貨店などの配達サービスの割引・無償化

 

これらのサービス特典を受けることができるので、車に乗らなくても不自由のない暮らしを送るための話し合いを家族で行い、返納後は車に乗らないようにしましょう。

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