2019年8月26日、三重県松阪市の市道で44歳会社員男性が運転するワンボックスカーが田んぼに転落。車には家族6人が乗っていましたが、男性の母親の70歳女性が胸を強く打ち、およそ1時間後に死亡。38歳の妻と小学生の子ども3人は軽傷でした。
出典:https://www2.ctv.co.jp/news/2019/08/27/62691/
2019年8月28日、滋賀県高島市同様の事故が発生。
水田に軽乗用車が転落し、運転席にいた飲食店経営の60歳男性が死亡する事故がありました。男性は農道を走行中に約50センチ下の水田に転落したとみられます。
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190828-00000020-kyt-l25
田んぼや農地に転落した時はどうする?
田んぼや農地に落ちた場合、まずは怪我人の安否確認を行います。
数十センチの段差であっても事故の衝撃はすさまじいものなので、意識があって目立つ怪我がなくても頭や胸を強く打った場合はすぐに病院で検査をするのが良いでしょう。
物損事故であっても警察にきちんと連絡し、土地の所有者に報告をしてもらいます。
もしも車が水没してしまった場合や、横転して自力で動かせなくなった場合はレッカー車を呼び車を運び出してもらう必要があります。
任意保険に加入している場合はレッカー代金も保険の適応範囲の場合があるので、物損事故や自損事故の保険に加入している人は保険会社に相談してみましょう。
”植えていない状態”の田んぼや農地への賠償金は払わなくてもいい?
物損事故といえば、壁や縁石、電柱やガードレールなどに被害が及ぶケースと、農地や田んぼなどに落ちてしまうケースがあります。
この違いはぶつけたものの値打ちが決まっているかどうか。
例えば、壊してしまった物の代金や修理費・交換費などの賠償金は大体の金額は調べて出てくるものですが、農作物や田んぼの”価値”はどのような計算になるのでしょうか。
「何も植えていない状態であれば費用も安いだろう」と楽天的にかんがえてしまう人も多いようですが、実は何も植えていない農地にも多額の賠償請求が考えられます。
というのも、車が転落した時に破損した車の鉄片やガラスの破片、ガソリンなどが土に混ざると、農作物を育てることはできません。
そのため、被害があった区画の土を入れ替えるなどの大掛かりな修繕作業が必要となることから賠償金は大きく膨らんでいくことになります。
【賠償金の内訳の例】
- 作物への被害による損害金(専業農家の場合は予想売上金)
- 入れ替える土の代金
- 入れ替え作業による工事費
- 水路や農道の修繕費
- 従業員がいる場合の休業中の給与手当補償
自己判断でその場を離れたりしても、土にはタイヤ痕がのこるため最悪の場合は当て逃げの犯罪者として警察から追われることになります。
被害状況によっては示談で済むこともあります。
その場合は丁寧な謝罪に加え、菓子折りやお見舞金などを送ると後々トラブルになることもないでしょう。
まとめ
車を日常的に使う土地の人であっても、農道や細い道路では操作ミスで空地や農地に転落することもあり得る話です。
「何も育てていないから」「誰にもバレていないから」とその場を離れると、物損事故の当て逃げとなってしまいます。
事故を起こした場合は警察に間に入ってもらい、土地の所有者にはきちんと謝罪して保険会社に賠償金の交渉をしてもらいましょう。