環境に優しい車としてどんどん注目されつつあるハイブリッドカー。
近年の国内販売比率では約3割はハイブリッドカーが占めるというデータもあり、ハイブリッドカーの売れ行きはもの凄いものがあります。
そこで、あらためてこのハイブリッドカーの仕組みやメリット・デメリットは一体どのようなものなのか?といった「ハイブリッドの基礎知識」をご紹介します。
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ハイブリッドカーとは?
ハイブリッドカーとは、2つ以上の動力源を備えている車のことで、一般的にはガソリンで動く「エンジン」と電気で動く「モーター」を動力で備えた自動車を指していることが多いです。
ハイブリッドカーの復旧状況
ハイブリッドの世界大国であったアメリカは2009年には新車需要が低迷し、販売規模を縮小しました。
しかし日本では、エコカー減税・補助金の制度を追い風に大手主要メーカーでのハイブリッドカー販売台数が3倍近くも増加しました。
これにより日本は世界最大のハイブリッドカー市場になりハイブリッドカーの販売台数が爆発的に増加しました。
ハイブリッドカーの仕組み
ハイブリッドカーは日本語で「複合動力車」と言い、2つ以上の動力を持ったものを指しています。
ガソリン車のエンジンは速度が低い時に燃費の効率が悪くなるという特徴を持っています。
一方ハイブリッドカーは、速度が低い時は電気で動くモーターを使って走行し、ある程度スピードが乗ってきた時にエンジンに切り替えて走行するという仕組みを取っています。
さらにハイブリッドカーには「回生ブレーキ」という機構があり、これは車が動いている運動エネルギーを発電機につなげて、もう一度電気エネルギーに変換し、それを蓄電することで再生利用可能にするものです。
また、ハイブリッドシステムの代表は以下の3種類に分けられます。
1.シリーズ方式
2.パラレル方式
3.シリーズ・パラレル方式
1.シリーズ方式
主動力はモーターで、エンジンは発電機として機能するタイプのこと。エンジンで走っているわけではないため、電気自動車とも考えられます。
モーター起動時に最大トルクを発生するため、発進・低速時において非常にスムーズに走行することができますが、中高速時にはパワー不足になるため、高速走行時には不満を感じることもあるかもしれません。
2.パラレル方式
主動力はエンジン駆動であり、モーターは補助的な役割をする仕組みです。
減速時にモーターは発電機の役割も兼ねているため、走行中はエンジン補助のどちらか一方しか行うことができません。
バッテリーの電気が蓄えられているときはエンジンの補助的な役割を行い、バッテリーの容量がなくなると発電機として機能するため、エンジンのみで走行することにもなります。
モーターは補助的な役割であるため、小型で済ませることができ、コストが安いというメリットもありますが、その分性能面では他のシステムよりも劣ってしまいます。
3.シリーズ・パラレル方式
「シリーズ方式」と「パラレル方式」を組み合わせたタイプで、エンジン、モーター、発電機と3つを搭載しています。常に発電してモーターに電力を送ることができるため、燃費効率が非常に高いというメリットがあります。
ハイブリッドカーの特徴
ハイブリッドカーの特徴は何と言っても低燃費ということでしょう。そこで、ハイブリッドカーの走行性能をご紹介します。
発進・加速時
車を動かすのに最もエネルギーが必要となるのは、停止状態から発進する時です。特にガソリン車の場合は多くのガソリンを消費してしまいます。
一方ハイブリッドの場合は、発進時に最大トルクを発揮させるため、スムーズに発進することができます。
また、一定の速度域まではモーターのみで走るため、余計なガソリンを消費することはありません。
走行時
発進後、ある程のスピードになったらエンジンが始動します。その間はモーターも駆動しているため、エンジンの回転数が上がりすぎることはなく少ないガソリンで走行できるようになっています。
また、余ったエンジンパワーを使ってバッテリーに電気を蓄えることもできるため、エンジンが停止している時でもモーターを回すことができます。
加速時
高速道路での合流や追い越しなどで急加速が必要になるときはモーターの回転数を上げてパワーを引き出すため、余計にガソリンを消費することがないため、思った以上にガソリンが消費しません。
そのため、通常のガソリン車の排気量以上のパワーを出すこともできます。
減速・停止時
ハイブリッドカーの大きな特徴として「回生ブレーキ」という機構を搭載しています。これは減速時のタイヤの回転を利用してモーターを回して発電する仕組みとなっています。
さらにアイドリングストップ機能も付いているため、停止時にはエンジンとモーターは完全に停止するため、余計なガソリンや電力を消費することはありません。
ハイブリッドカーのメリット
ハイブリッドカーのメリットは以下の通りとなります。
燃費が良い
ハイブリッド車の一番のメリットは、やはり燃費がいいということでしょう。
平均燃費はガソリン車に比べると1リッターあたり、ハイブリッドカーの方が約1.5倍の距離を走ることができます。
そのため、ハイブリッドカーは長く乗れば乗るほどお得ということになります。
また、燃費がいいということは、ガソリンスタンドに行く回数も減るということであるため、給油の手間も省くことができます。
騒音が静か
高速走行時はモーターの力をアシストするため、エンジンが高回転になることを防いでいるため、車内の騒音あまりなく、快適に過ごすことができます。
また、低速走行時はモーターのみで走行している場合があるため、エンジンの音が全く無くなることも。
そのため、市街地を走行中は歩行者の方もこちらに気付かない場合があるため、交通事故に気をつけなければいけません。
売る時に高く売れる
ハイブリッドカー人気がであるため、売却時にも高く売れるというメリットがあります。
そのため、万が一購入時にガソリン車より割高で、元が取れなくても、売却する時にガソリン車よりも高く売れるため、購入から売却までを総合的に考えると得をするというメリットもあります。
ハイブリッドカーのデメリット
ハイブリッドカーは燃費も良く、万能のように見えますが、もちろんデメリットも存在します。
コストが高い
ハイブリッドカーはエンジン機構に加えてモーターの機構も組み込まれているため、部品点数が多くなり、それだけ値段が高くなってしまいます。
そのため、ガソリン車と比べて一般的に40〜50万円ほど高くなる傾向があります。いくらハイブリッドカーが低燃費であると言っても、この価格差の場合ではハイブリッド車の方が高く付いてしまうということもあります。
また、ハイブリッドカーのバッテリーの寿命を迎えると、10万円ほどの出費もかかってしまうため、長く乗る人ほど特になりやすいという計算になります。
しかし、あまりにも走行距離が短い人であれば損をする可能性も高いため、購入前にどれだけ走れば元が取れるのかを計算しておいた方がいいでしょう。
ガソリン車に比べて運動性能が劣る
ハイブリッドカーはモーターやバッテリーなどの多数の部品が搭載されているため、ガソリン車よりも15〜20%ほど車重が増えてしまいます。
さすがにこれだけ重くなると運動性能にも影響が出てきて、ストレスを感じることもあるでしょう。
まとめ
ハイブリッドカーは燃費も良く、様々なメリットも存在しますが、全てが万能というわけではありませんので、デメリットの部分もしっかりと把握しておくことが大切です。
ハイブリッドカーは次々と開発されていくためどんどんデメリットが改善されていくと考えられますので今後も注目ですね!